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『花とわたしの物語』

あるところに、

ひとりの女の子がいました。

 

 

他の女の子たちがみんな同じ花を楽しそうに育てているのを見て、

女の子も花を育ててみたくなりました。

 

 

女の子は花の種を探しました。

 

 

そして、ようやく見つけた花の種は、

他の女の子たちが持っていた種とは違う今まで見たことがない花の種でした。

 

 

女の子は一生懸命お世話をしました。

 

人に聞いたり本を読んだりしながら育て方を勉強し、

間違ったり失敗しながらも毎日お世話を続けました。

 

他の女の子たちの種が芽吹いてゆくのを見て、

焦ったり不安になったりもしました。

それでも女の子は自分だけのその種を大切に育てました。

 

 

そうして、ゆっくりゆっくり種は芽吹きました。

 

 

 

ですが、出てきた芽はこれまた女の子たちの芽とは違う色や形をしていました。

 

 

それを見た周りの人たちは、

気味悪がったり、育てることをやめるように言う人もいました。

 

 

女の子は泣きました。

それでも女の子は花が咲くのを見たくて

雨の日も風の日もお世話を続け、諦めることはありませんでした。

 

 

 

そうしてまたゆっくりゆっくりと芽は伸び、不思議な形のつぼみをつけました。

 

すると、驚くことにつぼみが話し始めたのです。

 

 

『どうせ私のこと可愛くないんでしょ!』

『あんたなんかじゃ私を咲かせられないわ!』

『もっと上手な人に育てられたかった!』

 

 

 

 

女の子はショックで寝込みました。

 

 

家族や周りの人に何を言われても、諦めようとは思わなかったのに

初めて、花を育てることを諦めようかと悩みました。

 

 

「私なんかじゃ無理かもしれない」

「他の人のほうがよかったのかもしれない」

「このまま育てていいのかな、どうせ咲かないかもしれない」

 

 

泣いて泣いて…

どんどん弱っていくなかで、

女の子は一冊のノートを見つけました。

 

 

それは、花の種を見つけてから毎日書いていた日記でした。

 

毎日の水やりが楽しみだったこと。

やっと芽吹いたときの感動。

肥料選びにお店をはしごした思い出。

お世話しながら話しかけたあれこれ…悲しかったことも嬉しかったことも。

 

 

女の子の【花が大好き】という想いが、たくさんたくさん詰まっていました。

 

 

 

 

女の子はつぼみに伝えました。

 

悲しかったこと不安になったこと、

私でいいのか自信がなくなったこと、

それでもあなたが大好きなこと。

 

 

そうしたら、つぼみも話し始めました。

 

『愛されることに自信がなかった。こんな風に私を育ててくれる人なんていなかったから。』

『あなたからの愛情を素直に受け取ることが怖かった。ごめんね。ありがとう。』

 

 

 

女の子は泣きながらつぼみを抱きしめました。

 

そのとき、涙のしずくが静かにつぼみにあたり…

 

キラキラと輝きながらつぼみは大きく大きく開いていきました。

 

甘くて優しい香りを放ちながら、

今まで見たことがないほど美しい綺麗な花が咲きました。

 

 

 

 

女の子と花の噂はたちまち広まり、

多くの人々が自分だけの種を見つけ大切に育てるようになりました。

 

そして、

女の子と花は、今もしあわせに、しあわせに暮らしています。

 

 

出会ってくれてありがとう

 

愛してくれてありがとう

 

 

 

 

作:こばさや


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